オクムラ・ホーム日記

本当に言いたかった事を。。。

ポリエチレン管は伸び縮みが大きいから伸縮継手はいらない?

第4回のテーマです。

『ポリエチレン管は伸び縮みが大きいから伸縮継手はいらない?』

 

業界内で、一般常識化していますが、間違って認識されている事例です。

 

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伸縮接手


問題点および改善点

添架形式水管橋(屋外露出配管)の場合に、ポリエチレン管以外は温度変化にて伸び縮む分を、伸縮継手のすき間(呑込みしろと縮みしろ)にて、逃していることを前提にすれば間違いは明確である。

極論にはなりますが、パイプが温度変化により伸び縮みしなければ伸縮継手装置の必要は無くなります。パイプの伸び縮みの大きい事は、利点ではなく欠点なのです。

全ての物質は温度上昇にて膨張する。固体の長さが温度(気温)により変わる変化率を線膨張係数で表します。一般化しているパイプの中においてポリエチレン管(PE100)が一番変化率が高い数値を示しており、長さ(体積)が不安定な材質のため一番考慮しなくてはならない大問題であります。

(追記)
水管橋(屋外露出配管)においてこれまでのポリエチレン管の設計と施工を見た場合地盤の変位に対応する前に、気温の変化に対応出来ておりません。現実問題としてポリエチレン管は最も伸縮量を考慮し設計及び施工しなくてはならないことの事実を理解されていない技術者が水道事業関係者の中にも思いのほか多数おられ苦慮している所でもあります。