オクムラ・ホーム日記

本当に言いたかった事を。。。

90度曲管は不平均力から使用しない方が好ましい?

第3回のテーマです。

 

『90度曲管は不平均力から使用しない方が好ましい?』

 

業界内で、一般常識化していますが、間違って認識されている事例です。

 

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エルボ返し


問題点および改善点


カニカル継手構造のパイプの問題であり、水管橋(屋外露出配管)などの、溶接(融着)接合の一体化構造の場合には当てはまらない。


プラント配管(溶接接合の鋼管)では、通す液体が水とは限らないため、漏れ出す危険性を考慮し熱膨張対策としては、伸縮継手より90度曲管を使用し増減分を逃がすといった考え方があります。

管路内にすき間を設け接合する、伸縮継手を設置すれば、水道、下水道では事足りると、おっしゃる方もおられますが、同じ融着接合方式のポリエチレン管の伸縮量は、他管種に比べて異常に大きくて本来、温度変化の大きい屋外露出配管には向かない為に、専用の伸縮継手も現状では、ほぼ存在しておりません。

直線性能のないポリ管の場合に、伸縮管で対応出来たと仮定しても、少なくとも10倍の設置は必要となり、経済性の観点からも本末転倒した、管路(水管橋)となってしまいます。

そこで、配管直線部中央付近に固定点を設置し両端部分はエルボで向きを変え、その他は自由なルーズ支持とし、管移動分の逃げ場を設ける設計とすれば、エルボの先の短管がポリ管の特性でもある柔軟性(フレキシビリティ)で「しなり」、継手部分には負荷は掛らずに、直線部の中には伸縮継手を設けなくともよくなります。

曲管直線部の両端のスイングだけで、伸縮分を許容出来ない場合には、その中間にループ管(中間伸縮用屈曲管路)などを設ける必要はあります。

 

(追記)
基本的にプラントの配管では、熱膨張対策として、エルボ返しによるループ形式配管の方が通常であり、ごく普通に設計を行いますが、水管橋の世界では、これまで、あまり馴染みがないので提案しても担当者に敬遠され不採用になるケースが多い、難しいやっかいな問題であります。