オクムラ・ホーム日記

本当に言いたかった事を。。。

配管は全ての場合で一体化構造が安全である?

第8回のテーマです。

『配管は全ての場合で一体化構造が安全である?』

業界内で、一般常識化していますが、間違って認識されている事例です。

 

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ステンレス鋼管

 

問題点および改善点

一体化構造であればパイプラインから漏れだす危険は低く常に安全側である。一見もっともらしく聞こえますが、水管橋(屋外露出配管)の場合には、該当しません。

電線をイメージしてもらいたい。電線は電柱間は一体化(1本)で通してあります。冬になると電線が寒さで縮むので、意図的に垂れ下げてあります。強く引っ張れば、電柱に負荷が掛かり、強風時には倒れる危険も増す事から余裕を持たせています。一体化でまっすぐ張ってしまいますと、低温時、長さが足らなくなり最悪、躯体破損の原因になります。これが電線の熱膨張対策の事例であります。水管橋(屋外露出配管等)において、美観・空気弁機能を考慮すれば、垂れ提げることは出来ませんので露出部を直管だけで一体化することは、当然不可能になります。

温度変化の大きい屋外露出配管に対しては、伸縮継手装置もしくは、エルボ返し配管等を使った熱膨張対策を行うことになります。

 

(追記)

直線性は当然ですが、水平及び勾配維持を基本とする水管橋(屋外露出配管等)においてすべてを一体化する事とは、熱膨張対策を取らない事になり、構造上満足させる考え方になりません。