オクムラ・ホーム日記

本当に言いたかった事を。。。

支持間隔は「許容たわみ」から算出する?

第7回のテーマです。

『支持間隔は「許容たわみ」から算出する?』

業界内で、一般常識化していますが、間違って認識されている事例です。

 

f:id:okumurahome:20191031160912j:plain

独立水管橋



問題点および改善点

添架形式水管橋の支持間隔は、水管橋パイプビーム形式の「許容たわみ」から構造計算により算出し、決定する。一見もっともらしく聞こえますが、全く根拠はありません。

水管橋設計基準に、水管橋の設計にあたっては「たわみ」が許容値以下であることを照査する。解説として、通水管は空気弁の効果および美観上から原則としてキャンバーを付けるものとするとも明記しております。

これは、いわゆる、独立水管橋における通水管の上側部に弓状にそりをつける製作キャンバーの事が「許容たわみ」であります。キャンバーとは剛性を保つための最低限のアーチ形状のことであります。設計時、パイプの自重及び水重を無視しまっすぐにしてしまうと、施工後はパイプの中央部が凹んでしまいます。あらかじめパイプを弓なり(上に凸)に製作キャンバーを付けて設計し、(施工後の架設キャンバー、通水後の仕上りキャンバー)の基準値を満たすことで、まっすぐで強固な水管橋となります。

たわみから制限される支間長は、金属管における独立水管橋の問題であり、添架形式には適応されません。

(追記)
そもそも添架形式配管はキャンバーをつける構造の水管橋ではありませんし、つけようもありません。
重複しますが、本来、応力・たわみから求める独立水管橋における支間長添架形式水管橋支持間隔は似て非なる物でもあります。

数字の意味合いも
L/350とL/500 とではたわみ(キャンバー)の大きさではL/350の方が大であります。