添架用支持金具はパイプ接触面と電気絶縁する?
第2回のテーマです。
『添架用支持金具はパイプ接触面と電気絶縁する?』
業界内で、一般常識化していますが、間違って認識されている事例です。
問題点および改善点
絶縁支承と呼ぶパイプを支える部位は、すべらせる事が本来の目的である。
この場合に支承の種類で重要となるのは、形状である支承角度と
摩擦係数で「すべり」性能で優劣がつく。
橋梁及び水管橋の世界において絶縁とは、上部構造と下部構造の間、
パイプと支持金具の間に設置する。
スライドさせ熱伸縮分をすき間に逃がす装置の事。
言い換えると、可動支承(サドルサポート)の事であります。
その部位に使う素材として、テフロン(PTFE)が一番有能である。
テフロンとは、ふっ素樹脂の一つ、ポリテトラフルオロエチレンの、
テフロンは商標名ですが、一般化して広く使われております。
テフロン(ふっ素樹脂)とは、ふっ素原子を含むプラスチックの総称です。
現在までに発見されている物質の中で、最も摩擦係数の小さい物質であることが、特長の一つであり、「すべり」を必要とする箇所において、有利な物質となります。
(追記)
重複しますが、橋梁及び水管橋の世界で使う、支承部の絶縁とは、温度変化の影響による、熱伸縮対策が主目的であり、その他一般的に言う、電気防食の絶縁とは、まったく別のモノであります。
添架管は、Uボルト及びUバンドにて全箇所を強く締め込む?
第1回のテーマです。
『添架管は、Uボルト及びUバンドにて全箇所を強く締め込む?』
業界内で、一般常識化していますが、間違って認識されている事例です。
問題点および改善点
水管橋設計基準(WSP007-99)で、水管橋の支承部には、基本的に次の形式のものを使用する。
・リングサポート形式 (固定支承)
・サドルサポート形式 (可動支承)
と明記されております。
添架形式水管橋の支承部は、すべてを拘束しない管軸方向にスライドさせる目的のサドルサポートとそれをスムーズに作動させるための支点(固定)目的のリングサポートの併用設置は必然である。
要約すれば、固定部(軸方向と直角方向を拘束)、可動支承部(軸方向は拘束しないルーズ支持)を使い分けるようにすること。
通水管には、温度変化及び地震時の管の移動を制限する目的で固定支点を設けるものとする。
(追記)
リングサポートが、強い応力が発生する箇所を抑え込むようなイメージを持たれる方が多いようですが、それら一般的に言う、抜け止め金具的なものではなく、目的は本来明確に違います。
リングサポートとは、熱膨張対策の伸縮継手及びオフセット配管を機能させるための支点で反力を支える水管橋の大事な部材のひとつであります。